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2023/02/19

2024年問題と2025年問題

随分前に2000年問題というのがありましたが、最近は、2024年問題とか2025年問題というのが話題になっていますね。どちらも、労働集約型の業界で人手不足が深刻化するという話しですが、

 

何となく、それ以前の話しというか、構造的な問題とでも言えば良いのでしょうか。失われた20年とか、失われた30年みたいな話しもあるような気がしますし、むしろ、そちらの問題のような気もします…

 

ということで、2024年問題に直面すると言われている業界が2つあって、一つは物流業界、もう一つは建設業界ということなのですが、どちらも、働き方改革の話しでもあるのですよね。

 

まず、物流業界ですが、2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働(残業時間)が、年間960時間に制限されるようで、それにより、経済の血流とも言われる物流に大きな影響が出るということです。

 

年間960時間ということは、月当たりで40時間。週休2日で働いているとすれば、毎日2時間の残業ということになるので、この規制自体は仕方がないのかなあと思いますが、

 

原材料にしても製品にしても、それを運んでくれる人がいなければ経済が成り立たないというのはその通りだと思いますし、この規制によって、実際にそうなってしまう可能性は高そうです。

 

身近なところで言えば、宅配便はかなり影響が出そうですよね。一時期、不在時の再配達が負担になっているという話しがありましたが、それが減ってもなお人手が足りないとなれば、

 

時間指定の配達もそうでしょうし、翌日配達みたいなサービスも難しくなってくると思いますので、今後は、ネット通販も気軽に使えなくなるかもしれませんね。

 

もちろん、物流業界も何もしていないわけではなく、トレーラーを連結して一度に運べる荷物を増やしたり、荷台と運転車両部分を着脱式にして荷積み時間を短縮したりするなど、

 

様々な工夫をしているようですが、その一方、ここ最近の燃料費の高騰により、廃業する物流業者も増えているということですし、廃業まではいかないものの、

 

赤字経営に苦しむ物流業者も多いということなので、物流業界の収益力の改善と、その結果としてのトラックドライバーの賃金アップが、根本的な課題のような気がします。

 

そしてもう一方の建設業界ですが、こちらも2024年4月から、時間外労働(残業時間)が月当たり45時間。年間で360時間に制限されるそうで、それにより人手不足が深刻化するということです。

 

ただ、何となくですが、宅配便が身近なものだからか、建設業界の2024年問題よりも、物流業界の2024年のほうが注目されているというか、話題になることが多いような気もしますね。

 

商業ビルの建設や道路工事などは建設業界の仕事なので、気づかないだけで結構身近な業界のはずなのですが、宅配便のように、直に接することがないからかなあ。

 

でも、災害復旧工事も建設業界の仕事なので、災害の多い日本では、かなり重要な業界だと思いますし、少なくとも、そういうときには注目されているはずなのですけどね。

 

頻度が少ないので忘れられてしまうのかもしれませんが、こういうことは、ある種の恩でもあると思うので、恩は石に刻み、恨みは水に流せの言葉通り、記憶にとどめておくべきではないかなあと思います。

 

また、建設業界には、2025年問題というのもあって、こちらは、2025年にベテラン層が定年を迎え、大量に離職者が出るという話しだそうで、これも人手不足の原因になるということです。

 

まあ、建設業界は職人さんの世界ですからね。手に職がないとできない仕事なのは間違いないので、2024年問題よりも、2025年問題のほうが、より深刻な問題かもしれません。

 

もちろん、物流業界同様、建設業界も対策をし始めているということですが、こちらも物流業界と同じく、賃金などの待遇の問題があるような気がしますね。

 

やはり、なんだかんだ言っても、正当な対価というのが基本中の基本だろうと思いますし、そういった当たり前のことが、長く行われてこなかったということなのだろうと思います。

 

ちなみに、物流業界のドライバーや建設業界の作業員(建築・解体などの建設事業の作業員)は、36協定の適用外なのですよね。月40時間以上の時間外労働(残業時間)がある場合、

 

36協定は必須というのが建前ですが、それが今の今まで除外されていたというのも、どうなのかなあという気がしますが、手に職があれば、働けば働くほどお金になったという点で、

 

働く側も納得することができた業界だったということかもしれませんし、それはそれで良かったのかなあという気もします。稼ぎたければ稼げるよ、という感じですね。

 

あと、2025年ですが、和暦でいうと昭和100年にあたる年で、システム業界では、昭和100年問題という話しがあるらしいです。まあ、2000年問題と同じですね。

 

年を2桁で扱っていると、99年の次の年に0年になってしまうので、システム障害が起こるかもしれないということですが、こちらも、エンジニアという職人さんの世界の話しなので、

 

職人さんを無下に扱っていると、大きなシステム障害が起こるかもしれません。2000年問題のときのように、何事もなく終わってほしいですが、大丈夫かなあ。

 

(詳しいことはわかりませんが、年号が変わっても、システムの中では昭和で数え続けているという話しのようです。まあ、そういうシステムもあるということなのでしょう)

 

 

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