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2022/09/16

お立ち台にもいろいろあるんだなあ

確か3月頃だったと思いますが、日野自動車でエンジン不正問題(国内向けエンジンの排出ガスや燃費の不正)が発覚し、親会社のトヨタ自動車や、

 

同社製のエンジンを使用している自動車メーカー。そして最終的には、同社製のエンジンを使用していない自動車メーカーまで巻き込んだ騒ぎになりましたが、

 

この件について、弁護士を中心とした特別調査委員会が作成した調査報告書が公表されたという話しを聞いたので、同社のサイトからダウンロードし、ざっと読んでみた。

 

全部で300ページ弱あるのと、聞きなれない用語が多く出てくるので、本当にざっと読んだだけなのですが、「こういった問題はどの会社でもあるような気がするなあ」とか、

 

「これなんかは自分の勤め先でも同じだなあ」と思えるような内容もあって、読み終わった後、他人事とは思えないというか、読んで終わりにするのは良くないかなあという気がしました…

 

ということで、調査報告書を読んでいて気になったところというか、このあたりはどこの会社でもあるかなあと思えるところを、いくつか挙げてみたいと思います。

 

     *

 

◆ 管理職に人望が無い

 

「部長クラスが保身(自分が責められないように)に走らなければ、もっと部下からの訴えに耳を傾ける人ならば、こうはならない」(p.237)

 

◆ 事なかれ主義

 

「自分で意志を持たない、考えない、言わない、といった人材が量産された会社となっている」(p.237)

 

◆ 敢えて指摘をしない

 

「是正した方が良い事があっても、声を上げると自分が動かなければならなくなる為、結局、自分に影響が無い限りは敢えて指摘をしないような雰囲気になってしまう」(p.243)

 

◆ 犯人捜し

 

「日野自動車の風土は、助け合いではなく、犯人捜しと思う。責任はどこか?が最優先となる」(p.244)

 

◆ セクショナリズム

 

「縄張り意識から他の部署への敬意を失い、組織内での序列という内向きな価値観に固執するようになってしまう」(p.253)

 

     *

 

まあ、自分の勤め先は、日野自動車(22年3月の売上高は連結で1兆5千億円弱、従業員数は連結で3万5千人弱)のような大企業ではないので、役職者が何人もいるということもなく、

 

従業員数も多くはないので、部長クラスが…といったところは当てはまらないのですが、全体としては、これに近い雰囲気もあるかなあといった感じですね。

 

何と言えば良いのだろう…閉塞感があるというか、末期なのかなあというか、あまり良いイメージではない何かが社内にあるといった感じでしょうか。

 

また、心理的安全性が確保されにくい組織では、不祥事が起こりやすいといった話しがありますが、その点についても、調査報告書に以下のような記述がありました。

 

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◆ 心理的安定性

 

「昔から、1度上司に嫌われたら2度と評価が上がらないと言われているのをよく聞く」(p.237)

 

「問題が発覚して日程内に間に合わなければ、開発状況を管理する部署の前で状況を説明させられ担当者レベルで責任を取らされることになっていた」(p243)

 

「他社では当たり前にある、取締役や執行役員同士の議論や、それぞれの担当本部・領域・部の部下を守るという意識は低いと感じる」(p.243)

 

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先に挙げた「犯人捜し」などもそうですが、安心して仕事ができないという状況が、「事なかれ主義」や、「敢えて指摘しない」といった状況を生み出しているような気がしますね。

 

まあ、すべての不祥事に共通した原因ということでもないとは思いますが、不祥事の裏に心理的安定性の問題があったといった事例は、わりとあるのかもしれません。

 

あと、これも心理的安定性に関係する話しですが、日野自動車には、「お立ち台」という文化?があったようなので、以下に関係する記述を引用します。

 

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◆ お立ち台

 

「お立ち台とは、問題を起こした担当部署や担当者が、他の部署も数多く出席する会議の場で、衆目に晒されながら、問題の原因や対応策について説明を求められる状況を指す言葉である」(p.243)

 

     *

 

自分の世代の感覚では、「お立ち台」と言えば「ジュリアナ東京」。ジュリアナ東京と言えば、「ワンレン・ボディコン」「ジュリ扇子」(羽根のついた扇子)ですが、

 

日野自動車で言うところの「お立ち台」は、「追及台」というか「晒し台」というか、そんなイメージのものなのでしょう。(気の弱い人だったら、トラウマになりそう…)

 

たぶん、このネーミングを考えたのは、バブル末期を経験した世代(50代以降かな?)でしょうね。当時のワンレン・ボディコンギャルというよりは、

 

そのワンレン・ボディコンギャルを車で送迎する「アッシー君」とか、ワンレン・ボディコンギャルをナンパする「ゲッターズ」の経験者かもしれませんね。

 

ちなみに、自分も同世代ですが、そういう世界とは縁遠かったというか、まったく関係の無いままバブル末期を過ごしていましたが、まったく関心が無かったというわけでもなく、

 

一回くらいはジュリアナ東京に行ってみたいなあとは思っていましたね。まあ、たいての場合、そういう感覚の人は一回も行くことなく終わるわけで、自分もその一人でしたけど…

 

ということで調査報告書の話しに戻りますが、大企業には優秀な人が集まるのでしょうね。調査報告書の最後に、以下のようなことが書かれていました。

 

「非常に多くの従業員が、これまでのようなグローバルな仕向地の拡大や、多くの車種とバリエーションを維持することは、今の日野にとっては現実的ではないと受け止めており、これが本問題に繋がったという認識を有していることが窺われる」

 

まあ、事なかれ主義とは言いながらも、多くの従業員が、会社(事業)の問題点について認識していて、会社がどういう方向に進むべきかを考えていたのだろうと思います。

 

今、日野自動車は極めて厳しい状況のようですが、「中堅又は若手従業員によるものと思われるが、自分たちが日野を再生してみせるという思いをアンケート回答に寄せる者もいた」

 

ということなので、何とかして信頼を取り戻してほしいと思いますし、また、日野ブランドが無くなるようなことだけは、何としてでも避けてほしいです。

 

 

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