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2022/06/30

年収200万円でも豊かに暮らせるの?

宝島社が出した「年収200万円で豊かに暮らす」というムック本が話題になっていたようで、一時期、Twitterでも「年収200万円」という言葉がトレンド入りしていたらしいですね。

 

でも、年収200万円で豊かに暮らせるものでしょうか。ふつうに考えれば、豊かに暮らすというよりは慎ましく暮らす。もしくは細々と暮らすではないかなあという気がしますが…

 

というのも、人によって多少違うとは思いますが、年収200万円であれば、所得税と住民税で10万円。社会保険料(健康保険料や年金保険料)で30万円近く天引きされると思うので、

 

手取りは160万円ちょっとになるはずですからね。月々にすれば13万円ちょっとなので、仮に都内の賃貸物件で一人暮らしをしているとすると、ギリギリの生活になるのではないかと思います。

 

また、これが独身で実家暮らしなら、まあまあ楽しめるのではないかなあという気もしますが、先々のことを考えて貯金を…といったことをするとなると、豊かと言うほどではないかなあと思います。

 

もう20年近く前になると思いますが、「年収300万円時代を生き抜く経済学」という本が話題になったことがありましたが、一人暮らしをして貯金もして…といった生活をするのであれば、

 

最低でもこのくらいの年収がないと厳しいのではないかなあと思いますね。年収が300万円ですと、手取りが240万円(月々20万円)くらいになると思うので。

 

ちなみに、国税庁が出している「民間給与実態統計調査」(2021年9月)という資料によると、給与所得者は5,245万人(男性が3,077万人、女性が2,168万人)いるそうで、

 

一人当たりの平均給与は433万円(男性が532万円、女性が293万円)とのことです。(年収が430万円ですと、手取りは340万円くらいになると思います)

 

ただ、年収が100万円以下の人が442万人いて、100~200万円の人も773万人いるということなので(合計すると1,165万人です)、そういったことも考えると、

 

年収200万円で豊かに暮らすといった趣旨の本が出るのも、わからなくもないですよね。年収200万円以下の人が1,000万人もいるというのが、今の日本の現実なのですから。

 

また、国税庁が高所得者と定義している年収800万円以上の人は481万人いるらしいのですが、年収200万円以下の人と比べると、かなり少ないですね。

 

でも、累進課税(課税額が高いほど税率が上がる)だからだと思いますが、年収800万円以上の人の所得税の納税額が、全体の6割超を占めているということなので、

 

年収格差もそうなのですが、税金のあり方も今のままで良いのかなあという気もします。特に、少子高齢化が進む中での社会保障のあり方などは、しっかり議論したほうが良いと思いますね。

 

まあ、このあたりの話しは今に始まった話しでもないですが、遅々として進まないというか、議論する気があるのだろうか…といった感じになっているのはどうかと思います。

 

もちろん、「検討します」程度の話しはたまに出てはいますが、これから検討するということは、今はノープランということだと思うので、さすがにそれではまずいと思うのですよ。

 

例えば、昨年の自民党総裁選挙のときに少し話題になった「最低保障年金」の話しなどは、議論してみる価値はあると思いますけどね。

 

最低保障年金とは、簡単に言えば、年金保険料が半分、税金が半分で成り立っている基礎年金について、全額税金(消費税ですね)で成り立つようにしようという話しですが、

 

今は国民年金の未納率が2割を超えているわけですから、いっそのこと、年金保険料の徴収をやめてしまって、消費税のみで基礎年金を成り立つようにするほうが合理的だろうと思います。

 

もちろん、実際にそうするには、当然のことながら消費税率を上げることになるので(10%が15%くらいになる?)、増税反対の声が上がるとは思いますけどね。

 

でも、未納で年金を受け取ることができない人たちが生活保護費を受け取るようになるよりは、まだ、消費税率が上がったほうが良いのではないかと思いますよ。

 

未納者に対して生活保護費のみを税金から支出するだけで済むなら良いですが、実際には、それ以外に医療費の免除といったコストもかかるわけですからね。

 

年金保険料も支払わず、制度に「ただ乗り」するような人は見捨てる…といったことでもしない限り(というか、できないですよね?)、結局は税金が使われることになるわけです。

 

それに、増税にはなりますが、基礎年金部分の年金保険料が無くなるので、特に年収の低い人にとっては、恩恵のほうが大きいような気がするので、最低保障年金も悪くないと思うのですよね。

 

また、厚生年金についても、次の世代に負担をかける今の制度から、少しずつでも積み立て方式に変えていくようにしたほうが良いのではないかと思います。

 

今はまだ、一人のお年寄りを二人の現役世代が支えている状態なので良いですが、もう40~50年もすると、一人のお年寄りを一人の現役世代が支えることになるわけですからね。

 

そうなったら、老後世代も現役世代も、ともに生活が破綻してしまうかもしれませんので、今のうちに何とかしておいたほうが良いと思います。

 

 

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