新卒でベンチャー企業は勧められない
ネットのニュースサイトを見ていたところ、最近は、「新卒でベンチャー企業に就職する人が増えている」といった話しが出ていたのですが、実際、そんな感じなのですかね?
というのも、他人の就職や転職を商売にしている会社もあるわけですし、そういった会社がステルスマーケティングをすることもあると思うので、こういう記事を見ると、ちょっと疑ってしまうのですよね。
まあ、単に自分が疑い深いというだけかもしれませんが、仮に新卒でベンチャーを目指す人が増えているということなら、かなりの好条件を出すベンチャー企業があるということなのかなあと思います。
これは新卒に限った話しではないと思いますが、好条件の企業に入りたいと考えるのがふつうでしょうからね。最近の言葉で言うならホワイト企業ということかな?
具体的には、
・待遇が良い
・適度な仕事量
・倒産する心配がない
といった感じの企業だと思いますが、自分の感覚からすると、これらの条件がすべて揃っているところは、大企業か公務員くらいしかなさそうに思えるのですけどね。(そういう考え方が古い?)
ただ、就職先や転職先を選択する場合、好条件ということ以外にも、適職かどうかという基準があると思うので、もしかすると、そちらを優先してベンチャー企業を選択する人が多いのかもしれません。
特に新卒の人が就職先を決める場合は、適職探しとか適職診断みたいなことはやっているでしょうから、それをもとに就職先を決めるという人がいても不思議ではないですからね。
でも、適職というのも微妙と言えば微妙かなあという気がしますが、どうでしょう?
例えば、適職というのは、
・希望(興味・関心、好き・嫌い)
・適性(出来る・出来ない、得意・不得意)
の二つが揃ったものではないかと思いますが、希望なんて時間とともに変わるでしょうし、適性も、やってみて初めてわかるようなこともあるので、どちらも漠然としたものでしかないような気がしますし、
そう考えると、希望や適性というものについては、あまり真剣に考えなくても良いのかなあという気もしますし、極端な言い方をすると、適職探しなんてしなくてもいいのかなあと思ったりもします。
また、仮に自分の希望や適性と一致した仕事が見つかったとしても、その仕事が社会的に必要とされていなければ給料をもらえないということもありますし(ただの趣味になってしまいますよね)、
それ以前に、最初から適職に当たる人は少ないというか、そういう人は滅多にいないと思いますし、もしかしたら、生涯当たらなかったという人もそこそこいるような気がするのですよね。
まあ、適職に当たったという人がいたとしたら、それは単に、その人が幸運だっただけではないかと思うのですよ。(どんなことにも巡り合わせのようなことはあると思います)
でも、その幸運がずっと続けば良いですが、仮にそうやって適職に当たったとしても、その仕事が社会的に必要とされなくなってしまうと、その時点から給料がもらえなくなってしまいますからね…
といった感じで、適職というのは曖昧なものだと思うので、適職を探し続けるのことが良いかどうかはわかりませんし、適職が見つからなくても、悲観的になることはないと思うのですよね。
なので、まずは好条件の企業に入ることを優先したほうが良いような気がしますし、その意味では、大企業や公務員を目指すというのが正解のような気がします。
もちろん、適職よりも好条件を優先することに抵抗感を感じる人もいるかもしれませんが、「まあ、何とか仕事はできているからいいかな」くらいに仕事ができるようになれば良いと思いますし、
「必ずしも自分の希望とは一致しない仕事だけど、まあまあ適性はあったのかなあ」と思えるくらいにまでなれれば、それはそれで良いような気がするのですけどね。
また、「この仕事については、他人よりも自分のほうが得意なんじゃないかなあ」と思えるようなことがあれば、それを適職だと思うくらいの感覚でいても良いような気もします。
よく、「好きを仕事に」みたいな表現を見かけますけど、それよりは、「得意を仕事に」のほうが実態に近そうですので、好条件のところに就職して、そこで得意なことを探してみるのも良いと思います。
でも、就職や転職の場合、書面か口頭かは別にして、志望動機を言わないといけないので、それですと、「さすがにそこでこんな感じの話しはできないよなあ」という問題はあるかもしれませんね。
ただ、その志望動機というのもどうでしょう?
よく、志望動機を語る場合には、
・希望(興味や関心)
・適性(できるアピール?)
・目的(今後の人生プランみたいな感じ?)
の三つを語りましょうみたいな話しがありますけど、何となく無理やり感があるというか、「そんなこと、ふだんは考えたことすらないよ」みたいな感じの話しではないかと思うのですよ。
まあ、ふだんから考えている人もいるにはいるでしょうけど、仮に、ふだん考えてもいないことを語れば、面接で「嘘を話した」ことになりますので、さすがにそれはどうかなあと思うわけです。
で、当然のことながら、嘘は見抜かれることが多いですし、そうなれば、書類審査や面接で落ちることになるので、そうであれば、最初からやらないほうが良いのかなあと思ったりもします。
あと、少し話しが逸れますが、流行り言葉について語るのも微妙だと思いますね。最近だとSDGsとかですが、そういうのって、とってつけたような薄っぺらい話しにしかならないような気がしますね。
また、そうやって考えると、志望動機って、さして重要なものでもないような気がするのですよ。まあ、転職の場合であれば、もしかしたら、志望動機で前の仕事を辞めた理由がわかるとか、
そんな感じのことはあるのかもしれませんが、そうでなければ、面接のときに多少話題になるかならないかくらいの、世間話しみたいなものではないかという気がするのですけどね…
といったことを考えると、無理して難しいことを書いたり言ったりするよりも、むしろ、「良い人アピール」みたいなことを単純明快に書いたり話したりするほうが良いのではないかと思ってしまいます。
特に新卒であれば、「どんな仕事も真面目にやります」といった感じの話しをするほうが、なまじ色々なことを語るよりも印象が良いような気がしますし、
色々なことを語って、それに対して質問が返ってきてしまうよりは、そのほうが安全ではないかと思いますよ。相手の質問に返答できないというのが一番よくないでしょうからね…
ということで「新卒でベンチャー」の話しに戻りますが、個人的には、新卒でベンチャーは勧められないですね。まあ、最終的には本人の判断なので、無理強いするのは良くないと思いますが、
仮に大企業に入れるくらい優秀であれば、大企業に入ったほうが良いと思いますし、それでしばらくやってみて、やっぱりベンチャーだということなら、そこで転職すれば良いのではないでしょうか?
また、「大企業に入ると歯車になるが、ベンチャーなら色々なことが経験できる」から、ベンチャーに入るほうが良いといった話しもあるみたいですけど、そんなことはないと思いますよ。
まあ、大企業で働いた経験のない自分が言っても説得力がないですけど、いくら大企業とはいっても、歯車になることが決まっている人に好条件は出さないでしょうからね。
それに、ベンチャー企業に魅力を感じるのであれば、大企業に入って経験を積んで、その後に自分でベンチャー企業を立ち上げるくらいのほうが良いのではないかという気もします。
自分の会社であれば、自分がやりたいようにやれるわけですし、それこそ色々な経験ができますからね。ベンチャー企業の経営者に大企業出身の人が多いのも、それが理由ではないでしょうか。