ひとりぼっちは不幸?
さきほどまで、暇つぶしにネットのニュースサイトを見ていたのですが、その中に、「在宅学習で学校に行く機会がなく、友達ができないので孤独」といった学生さんの悩みを取り上げた記事がありまして、
若い人は若い人でいろいろと大変なんだなあと思いながら読んでいたのですが、読み終わってから、ふと、「そういったことはあまり気にしないほうが良いのではないかなあ」と思いました。
もちろん、人間は集団で行動する動物なので、本能的に孤独を避けるのだろうと思いますし、「友達がいない」ことを孤独と感じて悩むのも、そういったことが根本にあるのだろうとは思いますが、
学校に行ったから友達ができるというわけでもないですし、仮に学校に通って友達ができたとしても、それがその人の幸せにつながるかどうかはわからないですし、
それ以前に、友達だけがその人にとっての人間関係でもないと思うので、もう少し違った視点で見るようにしたら、違った考えも浮かんでくるのではないかなあという気がしたのですよね。
何となくですが、「友達は絶対に必要だ」と考えるよりも、「友達がいたら良いこともあるかもね」くらいで考えたほうが、視野が広がるような気がするのですよね。
また、人間関係も、少し広くとらえたほうが良いと思います。例えば、家族や友達といった人間関係だけでなく、ある程度の関係はあるが友達ではない関係(学校の同級生や会社の同僚)とか、
あるいは、顔見知り程度の関係(よく行くお店の店員さんとか)とか、顔も知らない関係(持ち物を製造した人や食べた物を生産した人)とか、そのあたりも、広い意味での人間関係ですからね。
よく、「人は一人では生きていけない」みたいな言葉がありますが、この言葉の意味は、「孤独は不幸」ではなくて、「さまざまな人が関わることで社会が成り立っている」ということだと思うのですよ。
なので、そんな感じで人間関係を広くとらえてみると、自然と「自分は孤独というわけでもないのかな?」といった気持ちになるのではないかと思いますし、
そういった気持ちになれば、この記事の学生さんのように、友達ができないという悩み(人間関係の悩み)も、自然と薄らいでくるのではないかと思うのですけどね。
もちろん、家族との愛情とか、友達との友情とか、そういったことは大事だとは思いますよ。ただ、だからといって、家族や友達がいないから不幸みたいな感じでは考えないほうが良いと思います。
世の中には、家族や友達がいることによって起こる不幸もありますからね。例えば、家族であれば「骨肉の争い」とか、友達であれば「仲間外れ」みたいなこともあるわけですし、
それ以外の人間関係(学校や職場での人間関係)であっても、「いじめ」みたいなことは起こり得ますので、そういった人間関係ばかりに目が行っていると、
その人間関係が崩れた途端に孤独を感じるようになってしまうと思うので、日頃から、それ以外の人間関係にも目を向けておいたほうが良いと思いますし、
また、実際に目が向いていれば、「自分は社会の中で一人きりではないんだ」と思えてくるでしょうし、そう思えれば、孤独を感じることも自然となくなるのではないかと思います。
最近は、一人で過ごすことを(独りぼっちの意味の)「ぼっち」と言ったりして、何となく社会全体が、「独り = 寂しい = 不幸」みたいな空気になっているような気がするのですが、
正確には、一人だから不幸なのではなくて、孤独を感じているから不幸なのだろうと思いますし、逆に言えば、一人でも孤独を感じていなければ、不幸ではないと思うのですけどね。
例えば、日本語の「独り」を英語で表現するとしたら、「lonely(ひとりで寂しい)」と「solitude(ひとりでいること)」の二つに分かれると思うのですが、
「独り」には、こんな感じで二通りの「独り」があるのだろうと思いますし、「独り = lonely」と感じていれば不幸で、「独り = solitude」と感じていれば、不幸ではないのだろうと思います…
ということで、記事にあった学生さんの話しに戻りますが、どうしても友達がほしいということであれば、自分が置かれている状況にあった方法で友達を探せば良いのだろうとは思いますね。
ただ、この学生さんの場合、何となくですが、友達を探す前に人間関係がうまくいく方法を考えてみたほうが良いのではないかなあという気がします。
友達という人間関係は、自分と何かしらの共通点のある人の中から作られるものだと思いますし、共通点があるかどうかは、ふだんの人間関係の中で見つかるものだと思うのですが、
仮に共通点があったとしても、相手が自分と友達になりたいと思ってくれなければ、いくら自分が望んでも、その人と友達になることはできないので、まずはそのあたりからではないかと思います。
また、これはあくまでも自分の感覚なのですが、友達というのは、意図してできるものではなくて、自然とできるものだと思うので、友達がほしいと思う時点で、何か違うような気がするのですよね。
また、そういう感覚で友達を作ろうとすると、意図して近づいてくるような人(場合によっては悪意のある人)に当たってしまうような気もするので、大丈夫なのかなあとも思ってしまいます。
世の中には、自分にとって都合の良い人間関係を求めてくる人もいますからね。そして、そういう人に当たってしまうと、結構な苦労をすることになると思いますし、
苦労で終わればよいですが、それが原因で自分が不幸になったら人生が台無しになりますので、余計なお世話かもしれませんが、まずは人間関係がうまくいくようにするほうが良いと思いました。