世の中には三通りの人がいる
ご近所トラブルと言うのでしょうか、ネットでもたまに話題になることがありますが、ご近所に対するちょっとした不満といったものから訴訟沙汰まで、世間ではいろいろなご近所トラブルがあるようですね。
まあ、考え方も生活習慣も違う人たちが近い距離で暮らせば、何かしらの問題は起こると思いますが、それがきっかけで訴訟沙汰にまで発展してしまうというのは、
ご近所同士の仲を取り持ってくれるような人が少なくなったとか、ご近所同士の付き合いが希薄になっているとか、そういった事情もあるのかもしれませんね。
また、他人に対する気遣いとか、遠慮といったものが無くなりつつあるとか、権利意識みたいなものが強くなっているとか、そういったこともあるのかもしれません。
自分もふだん生活していて感じるのですが、例えば道を歩いていて他人とすれ違うようなとき、自分が若いころは、お互いに譲るような感じになっていたと思うのですよ。
でも、最近の若い人の中には、相手が譲ってくれるだろうと思っているのか、あるいは、相手が譲るべきだとでも思っているのか、突き進んでくるような人もわりといますからね。
もし、世の中にこんな感じの人が増えているのだとすれば、ご近所同士のトラブルも増えて当然だろうと思いますし、それが訴訟沙汰にまでなってしまうというのもわかるような気がします。
個人的に、世の中には、
(A)何か言われないように日頃から気をつけています
(B)何か言われたら気をつければいいよね
(C)何を言われようが関係ないよね
といった三通りの人がいると思っているのですが、大半の人が(A)であれば、それほど問題は起こらないと思うのですよ。
でも、(B)の人が増えてくると、いろいろな問題が起こるようになって、(C)の人がいると、問題が解決しないまま長く続いてしまうということになるような気がします。
まあ、それはそうですよね。言えば聞いてくれるというのなら、仮に問題が起こったとしても解決すると思いますが、自分は関係ないという人には、何を言っても無駄なのですから。
そして、そういった場合の唯一の解決手段が訴訟なのではないかと思います。恐らく、言っても聞かない人に、損害賠償などのペナルティを与えることで問題を解決するということなのでしょう…
といったご近所トラブルの話しですが、具体的にどんなことが揉め事になりやすいのだろうと思ってネットで検索してみたのですが、自分が見た感じでは、以下のようなことが多いみたいですね。
・騒音
・タバコ
・ペット
・ゴミ出し
・共有スペースの使い方
また、これ以外ですと、
・挨拶
・嫌がらせ
といったものがあるみたいですが、このうち、挨拶というのはどうでしょうね。何となくですが、トラブルという言葉には、あまり馴染まないような気がするのですが。
それに、嫌がらせは論外ですよね。トラブルというよりは犯罪に近い行為だと思いますし、場合によっては、犯罪そのものであるということもあるでしょうし。
また、自分もアパートやマンションといった集合住宅で暮らしている期間の長いので、何度かご近所トラブルを見聞きすることがありましたが、騒音の問題が一番多かったですね。
集合住宅の場合、戸建てと違って、壁一枚はさんだだけのご近所ですので、騒音というほどの大きな音でなくても、音が問題になることはあるので。
例えば、自分が静かにしているときにしか聞こえないような小さな音でも、それがずっと続いていると気になるとか、そういったこともありますからね。
自分が一番最初に入居した集合住宅は、築40年の木造アパートだったのですが、2階で歩いているのが、直下の1階でわかるくらいの物件だったので、音が問題になることが何回かありました。
そのうち、揉め事になったのは、考え事をするときに歩き回るのが癖という人が2階に住んでいて、1階の人が直接苦情を言いに行ったときでしたね。
自分はその場にいたわけではなく、後になって大家さんから話しを聞いたのですが、まあまあの言い合いになったらしく、大家さんが止めに入ったそうです。
そして、その後にも同じことがあったらしく、結局、2階の人が引っ越したことで解決したのですが、これなどは、集合住宅にありがちなご近所トラブルではないかという気がしますね。
でも、大家さんも言っていましたけど、言い合いで済んで良かったと思います。今の若い世代の方は知らないと思いますが、自分が子どもの頃には、
ピアノ騒音殺人事件という、騒音が原因の殺人事件がありましたからね。これは、1974年(昭和49年)に、神奈川県の団地で起こった事件なのですが、
事件名の通り、騒音が原因の殺人事件で、音に対して過敏だった男が、階下の騒音が原因で殺意を抱き、階下に住む母娘3人を刺殺するという事件でした。
加害者の男が精神病質だったという事情もあったようですが、騒音がきっかけの殺人事件だったこともあって、近隣からの騒音問題をクローズアップさせるきっかけにもなたった事件だったのですよね。
ちなみに、加害者の男は死刑確定者として東京拘置所に収監されたようですが、刑が執行されたという話しは聞かないので、今も収監中か、もしくは、収監中に亡くなったのかもしれません。
また、加害者の男の供述からすると、男は、音に関しては、
(A)何か言われないように日頃から気をつけています
という人のようで、男から見た被害者は、
(C)何を言われようが関係ないよね
という人だったようですが、
被害者がピアノを弾く時間に配慮していたとか、音もそれほど大きなものではなかったといった話しもあったようなので、実際は違っていたのではないかという気がします。
ただ、ご近所のピアノの騒音に悩んでいた方たちからは、加害者に同情する意見もあったそうで、加害者の男を支援する動きや、嘆願書集めなども行われたらしいです…
といったことも考えると、同じトラブルになるのなら、まだ裁判沙汰のほうが良いのかなあという気もしますが、それ以前に、トラブルの原因になるようなことはしないほうが良いのは間違いないですね。