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2021/10/16

ヒューマンエラーなんでしょうけどねえ

先週の中頃にニュースになった年金振込通知書の誤発送の件ですが、ネットの世界は、情報が出てくるのが速いですよね。このニュースが流れて間もなく、

 

「うちの親のところにも間違った年金振込通知書が届いたよ」みたいな感じで、届いた年金振込通知書を撮影した写真をアップロードしている方が何人かいらっしゃいました。

 

ただ、どの方もリテラシーをお持ちのようで、基礎年金番号や年金の振込先の金融機関名などを見えない状態にしてから写真撮影していらっしゃいましたね。

 

ちなみに、自分が見たものは、令和3年10月の支払額が、

 

年金支払額  … 409,164円

介護保険料額 … 17,400円

所得税額~  …  2,132円

個人住民税額 … 17,300円

控除後振込額 … 372,332円

 

となっていたものでした。2か月に1回の支払い(振込)とはいえ、わりと多くもらっている方のデータではないかと思いましたが、どうでしょう。(年金定期便によれば、自分はここまでの金額にはならないです)

 

でも、間違った年金振込通知書を受け取られた方は、びっくりされたでしょうね。「俺の年金が増えたよ」ならまだ良いと思いますが、「俺の年金減ってるじゃねえか」となった方は、

 

その後どのような気持ちになっただろうと思います。巷では、「年金は大丈夫なの?」みたいな話しもあるので、もしかしたら、「やっぱりなあ」で終わってしまったかもしれませんけどね。

 

しかしまあ、なんでこんなことになってしまったのか…。

 

印刷を請け負ったのは、西日本にある総合印刷の中堅企業ということですが、チェック体制がうまく機能しなかったのか、そもそもチェック体制がなかったのか、そのあたりは気になりますね。

 

また、宛名と中身(支給額など)が異なっていたという話しなので、日本年金機構が、この委託先にどのようなデータを渡していたのかも気になるところです。

 

単純に考えれば、宛名のデータ(A)と、支給額のデータ(B)とがあって、それぞれで、A1、A2…、B1、B2…みたいな感じで市区町村といった範囲ごとにわかれていて、

 

本来であれば、委託先でA1-B1、A2-B2と組み合わせるべきところを、誤って、A1-B2、A2-B1と組み合わせてしまったといったことが考えられますが、

 

仮にそうだとすると、日本年金機構のデータの渡し方にも問題があるような気がするのですけどね。そもそも、そんな渡し方をしなければ、こういう間違いは起こらなかったと思いますし…。

 

まあ、あくまでも素人考えなので、実際は違うのかもしれませんが、何となくですが、日本年金機構が持っているシステムでは、宛名になる情報は個人情報データとして。

 

また、支給に関係する情報は、支給情報データとして別々に保管するようになっていて、それをそのまま委託先に渡していたような気もするのですよ。

 

そして、委託先で「うまいことやっておいてね」で済ましていたような気がしなくもないです。何しろ、日本年金機構の前身は、消えた年金問題でやり玉にあがった社会保険庁ですからね。

 

これは嘘なのか本当の話しなのかはわかりませんが、消えた年金問題で大騒ぎしていたとき、社会保険庁では、こんな仕事をしていると言って出てきた話しが、

 

・コンピュータでの文字入力は1日5,000字まで

・コンピュータを連続して使うのは50分まで

・50分働いたら15分休憩しないといけない

 

といった、ちょっと信じられないような話しで、これらの内容が、社会保険庁と労働組合の間で覚書として交わされているといったものでしたので、

 

この話しが事実だとすると、社会保険庁の仕事は結構いい加減な仕事だったのではないかと思いますし、後身の日本年金機構も、その体質を引きずっているのではないかという気がするのですよね。

 

なので、面倒くさいところは委託先に丸投げしていて、委託先でデータを調整して扱わないといけないような状態になっているのではないかな?と思うわけです。

 

まあ、直接の原因は、印刷作業をした人のちょっとした調整ミス(ヒューマンエラー)なのでしょうけどね。ただ、本質的な問題は、違うところにあるような気がするのだけどなあ。

 

でも、ヒューマンエラーって怖いですよね。特に、機械やコンピューターを使うような作業ですと、人のちょっとしたミスがそれによって増幅されて、大きな事故や被害を生みだす場合もありますし…。

 

今回も、委託先の企業が発表したところによると、3県の53市区町村の97万2,023人分で間違いがあったということなので、ヒューマンエラーの典型例だったのではないかという気がします。

 

また、大きな間違いだったので、この後の処理も大変なのではないかと思いますね。漏れた情報は、基礎年金番号と振込先の金融機関名(支店までで口座番号なし)、支給額ということで、

 

いわゆる個人情報が漏れたという話しではなさそうですが、恐らくは、誤発送したものを回収して、正しいものを再送付するということになると思うので、結構な時間と手間になりそうです。

 

特に、回収は面倒くさそうですよね。相手が97万人では、一軒ずつまわって回収するわけにもいかないでしょうから、返信用封筒を入れた謝罪の手紙を送るのではないかと思いますが、

 

郵送コストだけでも、

84円(定形) × 2(往復) × 97万件=162,960,000円

ですし、正しい内容の年金振込通知書を郵送するにも、

63円(ハガキ) × 97万件 = 61,110,000円

もかかります。まあ、実際は大口割引があると思うので、これよりは安くなるでしょうけどね。(委託先の会社の規模がわかりませんが、負担できるのかなあ…)

 

あと、最後に、日本年金機構の(社会保険庁時代からの)黒歴史をおさらいしておきましょう。

 

・2004年 職員による個人情報漏洩

・2006年 国民年金保険料の不正免除

・2007年 いわゆる年金記録問題が表面化

・2007年 滞納事業者に対して延滞金を不正に減額

・2009年 社会保険庁解体

 

・2010年 日本年金機構設立

・2010年 機構職員と社保庁OBが官製談合で逮捕

・2013年 時効特例給付が行われず未払いが発覚

・2015年 125万件の情報流出

 

あっ、そうそう。基礎年金番号に名寄せするときに宙に浮いてしまった5,000万件の年金記録って、結局どうなったのでしたっけ?

 

自分が情報を追えていないだけかもしれませんが、今回のニュースを見て、ふと気になりました。年金振込通知書の誤発送よりも、こちらのほうが深刻ですからね。

 

 

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