自撮りの元祖?画家エドヴァルド・ムンクの作品「叫び」などを鑑賞
文化の日かつ芸術の秋ということで、上野にある東京都美術館で開催されている「ムンク展-共鳴する魂の叫び」に行ってきました。
エドヴァルド・ムンク(1863-1944)といえば「叫び」が有名ですが、それ以外にも、肖像画や版画などの多くの作品を残していますよね。
今回の「ムンク展」は、エドヴァルド・ムンクの故郷であるノルウェーのオスロ市立ムンク美術館が所有するコレクションを中心に、約60点の油彩画と約40点の版画など、100%ムンクの作品だけを展示した展覧会でした。
また、今回展示されている「叫び」は、複数描かれた「叫び」のうち、「黒目が描かれていない」作品でしたが、この作品は今回が初来日だそうですよ。
この作品以外にも、ノルウェーの自然を描いた美しい風景画や、明るい色に彩られた晩年の作品などが展示されているなど、見どころ満載の展示会でした。
ちなみに、なぜ黒目が描かれていないのか…ですが、公式キャラクターの「さけびクン」によれば、「それはね、君のことを映す純真で真っ新な瞳だから…かもしれないね」だそうです…。
この「ムンク展」は、2019年1月20日まで開催されているそうですので、ムンクに関心をお持ちの方はぜひどうぞ。誰もが知っているであろうムンクの「叫び」を生で見られるだけでも、出かける価値はあると思います。
さて、そんなエドヴァルド・ムンクですが、写真を資料にして多くの自画像を描いたことでも有名ですよね。39歳のとき(1902年)には、今でいうところの「自撮り」も経験しているそうです。
TwitterやInstagramなどの普及により、今でこそ「自撮り」は一般的なものになっていますが、1902年当時にそれをしていたとは…。ひょっとしたら、自撮りの元祖はエドヴァルド・ムンクだったのかもしれませんね。
また、そのようにして多くの自画像を残したところをみると、エドヴァルド・ムンクという人はナルシストだったのかな…という気もします。
ちなみに、今回の展覧会では、エドヴァルド・ムンクが若いころの自画像も展示されているのですが、見た感じは、クールな感じの顔立のハンサムな男…といった印象でした。今風に言えば「イケメン」ですかね?
このように、ムンクはルックスにも恵まれ、画家としての才能にも恵まれ…と、凡人からみるとうらやましい限りなのですが、「画家は孤独でなければならない」といった思いがあったようで、生涯独身だったそうです。
ただ、人妻、作家、ヴァイオリニストと、その時々で恋人はいたらしく、「接吻」は人妻との関係を描いたもの。「すすり泣く裸婦」は30歳以上年下の恋人をモデルに描いたもの…といった説があるようですよ。
また、その一方、女性絡みの傷害事件もあったそうで、その時に負傷したエドヴァルド・ムンクは、精神的に衰弱して酒に溺れるような生活に陥ってしまったのだとか…。
芸術家としての繊細な一面?(鋭敏な感受性?)
あるいは、恋多き男の苦悩?
といったところでしょうか。
生涯にわたり多くの作品を残したということでみると、エドヴァルド・ムンクの画家としての人生は充実していたと思うのですが、こういったところを見ると、私生活は波乱万丈だった…といった気がしなくもないですね。
そうそう、ムンクは、幼少期にお母さんとお姉さんを相次いで亡くしてます。こうした経験は、初期の作品「病める子」などのモチーフにもなっていますが、同時に、彼の生涯にも影響を与え続けたように思います…
といった感じの「ムンク展-共鳴する魂の叫び」でしたが、個人的には、エドヴァルド・ムンクの代表作「叫び」よりも、「夏の夜、人魚」や「星月夜」、「庭のリンゴの樹」といった作品のほうが良かったです。
あと、これは展覧会とはあまり関係のない話しですが、最近の展覧会は商売っ気があって、コラボグッズまで販売されているのですよね。今回も出口に売店がありました。
今回はポケモンとのコラボで、「ぬいぐるみ・叫びピカチュウ」「クリアファイル・ピカチュウ」といったグッズが販売されています。かなり人気があるようで、一部の商品は売り切れでした。(再販予定はあるということです)
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