年賀はがきの総発行枚数の推移をグラフにしてみました
年賀状をやり取りする方が減少しているのか、あるいは、一人あたりがやり取りする年賀状の枚数が減少しているのか、ここ数年、年賀はがきの総発行枚数も減少傾向にあるようですね。
そこで、年賀はがきの発売が開始された昭和24年から現在(令和3年)までの総発行枚数の推移をグラフにしてみました。
なお、グラフ作成に使用した総発行枚数の数値データは、日本郵便のプレスリリースなどから引用しましたが、枚数の単位は「千枚」です。(枚数は、100の位で四捨五入しています。また、下のほうにグラフ作成に使用した数値データの一覧があります。)
■ グラフで特徴的なところ
年賀はがきの総発行枚数の推移をグラフにしてみると、その中にいくつか特徴的なところ(それまでの発行枚数の傾向からズレている部分)があるのがわかります。
例えば、赤い矢印をつけたところです。それぞれ、前年と比較して発行枚数が落ち込んでいますが、これはどれも、郵便はがきの料金が値上げされたときの落ち込みです。
赤A … 昭和52年用 (昭和51年に郵便はがきの料金が10円から20円になる)
赤B … 昭和57年用 (昭和56年に郵便はがきの料金が20円から30円になる)
赤C … 平成 7年用 (平成 6年に郵便はがきの料金が41円から50円になる)
また、青い四角で囲んだところも、総発行枚数に変化のあるところですが、これらの時期には、以下のようなことが起こっています。
青A … 昭和48~50年用 (昭和48年…オイルショック。団塊の世代が就職した頃)
青B … 平成14~16年用 (平成15年…個人情報保護法成立)
青C … 平成18~20年用 (団塊の世代が還暦を迎えた頃)
値上げをすれば一時的に年賀状の需要は減るでしょうし、それ以外でも、需要に影響しそう場合には総発行枚数を調整するのでしょうね。
また、平成21年以降(青Cの後)の減少は、「若者の年賀状離れ」ということもあるとは思いますが、それ以上に、団塊の世代がやり取りする年賀状の減少が影響しているように感じます。
■ 年賀状といえば「プリントゴッコ」だった時代
さて、年賀状と聞くと「プリントゴッコ」を思い出す方もいらっしゃるのではないかと思いますがどうでしょうか。プリントゴッコ(Print Gocco)は、昭和52年(1977年)に理想科学工業から発売された個人向けの小型印刷機です。
この製品は、平成20年(2008年)まで販売され続け(消耗品は4年後の平成24年まで販売)、累計販売台数は平成8年の時点で1,000万台を超えていたといわれるほどのヒット商品でした。(平成5年には年間売上額が153億円だったそうです)
また、プリントゴッコという独特のネーミングは、当時の理想科学工業社長だった羽山昇氏によるものだそうです。「ごっこ遊びこそ知育の源泉である」という考えから、この名称に決めたようですね。
自分も、発売された当時からパソコンを使うようになるまでプリントゴッコで年賀状を作っていました。昭和の終わりから平成のはじめ頃です。
当時は、年末になると、文具売り場にプリントゴッコの特設コーナーができるくらいの人気で、プリントゴッコで年賀状を作ることが「国民行事」と言われていましたからね。懐かしい…。
■ 年賀はがきの面白いところ
年賀はがきに関連する話題としては、年賀はがきの切手にあたる部分の図柄にストーリーがある…という話しもありますね。ちょっとした遊び心…ということでしょうか、
12年がかりでマフラーを完成させたヒツジ。12年後に子どもができたサル…ですね。ちなみに、平成17年(2005年)の図柄はニワトリそのものでしたが、平成29年(2017年)は(ニワトリの)卵になっていましたね。ひょっとしたら12年後はヒヨコ?
※ グラフ作成に使用した総発行枚数の数値データは以下の通りです
昭和24年 (25年用) 180,000千枚
25 (26 ) 400,000
26 (27 ) 350,000
27 (28 ) 450,000
28 (29 ) 500,000
29 (30 ) 580,000
昭和30年 (31年用) 620,000千枚
31 (32 ) 715,000
32 (33 ) 700,000
33 (34 ) 770,000
34 (35 ) 830,000
35 (36 ) 850,000
36 (37 ) 870,000
37 (38 ) 870,000
38 (39 ) 940,000
39 (40 ) 1,085,000
昭和40年 (41年用) 1,210,000千枚
41 (42 ) 1,300,000
42 (43 ) 1,450,000
43 (44 ) 1,500,000
44 (45 ) 1,600,000
45 (46 ) 1,680,000
46 (47 ) 1,780,000
47 (48 ) 1,960,000
48 (49 ) 2,300,000
49 (50 ) 2,700,000
昭和50年 (51年用) 2,800,000千枚
51 (52 ) 2,500,000
52 (53 ) 2,650,000
53 (54 ) 2,750,000
54 (55 ) 2,750,000
55 (56 ) 2,880,000
56 (57 ) 2,710,000
57 (58 ) 2,990,000
58 (59 ) 3,075,000
59 (60 ) 3,160,000
昭和60年 (61年用) 3,235,000千枚
61 (62 ) 3,335,000
62 (63 ) 3,526,000
63 (64 ) 3,430,000
平成元年 (02年用) 3,902,000千枚
02 (03 ) 3,800,000
03 (04 ) 3,800,000
04 (05 ) 3,850,000
05 (06 ) 3,910,000
06 (07 ) 3,796,000
07 (08 ) 3,925,000
08 (09 ) 4,087,420
09 (10 ) 4,176,800
平成10年 (11年用) 4,235,000千枚
11 (12 ) 4,250,000
12 (13 ) 4,225,000
13 (14 ) 4,021,748
14 (15 ) 3,902,360
15 (16 ) 4,459,360
16 (17 ) 4,367,740
17 (18 ) 4,085,000
18 (19 ) 3,799,787
19 (20 ) 4,021,050
平成20年 (21年用) 4,136,844千枚
21 (22 ) 3,897,769
22 (23 ) 3,820,245
23 (24 ) 3,665,776
24 (25 ) 3,587,303
25 (26 ) 3,415,960
26 (27 ) 3,301,732
27 (28 ) 3,201,672
28 (29 ) 3,142,077
29 (30 ) 2,965,266
平成30年 (31年用) 2,559,296千枚
令和元年 ( 2年用) 2,440,901千枚
2年 ( 3年用) 2,134,433
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