辰巳天井は本当なのか?
相場の格言に次のようなものがあります。
「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ。戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる。」
この格言は本当でしょうか。株式相場で見てみようと思います。
このグラフは、1984年(子)から2011年(卯)までの各年の日経平均の終値をグラフにしたものです。
最初の辰巳(赤い矢印)は1989年と1990年で、バブル景気の頃ですね。日経平均が最高値になったときですので「辰巳天井」と言えると思います。その後の「午尻下がり」と「未辛抱」も、その通りではないでしょうか。
「申酉騒ぐ」は、申が最高値の後の最初の底(一番底)で、酉も申と同じくらいの株価という感じですので、まあその通りかなと思えます。
「戌は笑い」も、申酉の下値から少し上がっているという点では、多少笑顔が戻ったかもしれませんね。「亥固まる」も、戌は笑いで多少上げた株価が維持されていますので、値が固まると意味で受け取って良いかもしれません。
「子は繁栄」については、格言とは違う状況ですね。「丑はつまずき」は、最高値から二番目の底(二番底)に向かっているところですので、格言通り。「寅千里を走り」は、丑で下げた値が「卯は跳ねる」に向かって値を上げ始めるところと考えると、さほどずれていないかなという印象です。
こうしてみると、1988年から1999年までは、「子は繁栄」を除いて格言通りかなという感じがしますね。
次の辰巳(緑の矢印)は2000年と2001年で、天井とまでは言えませんが、「午尻下がり」の手前の高値ではありますね。「未辛抱」は、その通りかなという気がします。「申酉騒ぐ」はどうでしょう…。酉で持ち直した株価に騒いだ人もいるかもしれませんね。
その後の「戌は笑い」「亥固まる」はその通りかなと思えますが、ここでも「子は繁栄」していませんね。「丑はつまずき」は、ここで躓いたというよりも、子から躓いたままという感じがします。2011年の卯も災害があったこともあって跳ねていませんね。
これらをどう捉えるかは人それぞれだと思いますが、干支という循環論的な考え方と、相場のサイクル論との間に、何か通じるものがあるかもしれないと思うのは、人情なのかもしれませんね。
ということで、干支と日経平均株価の関係をまとめてみました。
子 丑 寅 卯 辰 巳 午 未 申 酉 戌 亥
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-7.3 62.9 118.4 4.2 -5.8 19.5 29.0 -13.6 40.5 31.3
55.1 5.6 -0.8 -13.8 -0.7 16.5 2.4 -11.6 33.6 37.6 -15.8 36.6
91.9 -17.3 -11.4 14.2 14.5 -2.5 23.4 9.5 8.3 7.9 4.4 23.4
16.7 13.6 42.6 15.3 39.9 29.0 -38.7 -3.6 -26.4 2.9 13.2 0.7
-2.6 -21.2 -9.3 36.8 -27.2 -23.5 -18.6 24.5 7.6 40.2 6.9 -11.1
-42.1 19.0 -3.0 -17.3
※ 数値の単位はパーセントで、「今年の終値÷前年の終値-1」で求めています。
※ 1950年(寅)から2011年(卯)までのデータです。
以下は、同じデータを西暦年の下一桁を基準にして表にしたものです。
???0 ???1 ???2 ???3 ???4 ???5 ???6 ???7 ???8 ???9
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-7.3 62.9 118.4 4.2 -5.8 19.5 29.0 -13.6 40.5 31.3
55.1 5.6 -0.8 -13.8 -0.7 16.5 2.4 -11.6 33.6 37.6
-15.8 36.6 91.9 -17.3 -11.4 14.2 14.5 -2.5 23.4 9.5
8.3 7.9 4.4 23.4 16.7 13.6 42.6 15.3 39.9 29.0
-38.7 -3.6 -26.4 2.9 13.2 0.7 -2.6 -21.2 -9.3 36.8
-27.2 -23.5 -18.6 24.5 7.6 40.2 6.9 -11.1 -42.1 19.0
-3.0 -17.3