身辺整理・捨てる(2)

■人間関係について

 

人間関係を整理する…などと言うと、周囲からはあまり良い印象を持たれないかもしれません。ただ、自分にとって必要な人間関係とは何か…を、一度は考えておいたほうが良いと思います。

 

子供の頃に、悪い人間と関わると自分も悪い人間になるよ…などと言われた人はわりといると思います。言い方を変えれば、「付き合う人を間違えると幸せにはなれない」ということだろうと思います。これは大人になってからも同じではないでしょうか。

 

人生はたくさんの人と関わったほうが良いと言う人もいます。間違ってはいないと思いますが、自分は唯一の正解とも思いません。関わった人は少ないけれども、自分にとって大切な人ばかりだったと思えるような人間関係が作れたなら、それはそれで正解と言って良いのではないでしょうか。

 

人間関係を整理する基準を作るために、自分の周辺の人間関係について「受ける制約の大小」と「縁の深さ浅さ」で分類してみました。このくらい単純に考えてみたほうが結論が出しやすいので…。

 

 

「制約」については、経済的な制約もあれば法的な制約もあるだろうと思います。それ以上に気持ち的(道徳的と言うべきか)な制約もあるでしょう。こうした制約は良好な関係であるうちは全く問題ありませんが、ひとたび関係が拗れた場合は非常に厄介なものになります。特に家族との関係は深刻です。「骨肉の争い」といった言葉があるように、血のつながり(これもある種の制約でしょう)があるからこそ修羅場を見ることもあります。

 

「縁」についても同様だと思います。良好な関係であれば「めぐり合わせ」といった必ずしも悪い意味とは限らないような言葉で表現されますが、関係が拗れた場合は「因縁」といった表現をされることもあります。

 

人間関係の整理は、多くの場合、こうした「制約」や「縁」を考えながら進めることになると思います。制約上、切るに切れない関係もあるでしょうし、縁を考えた場合、切らないほうが良い関係もあると思います。切ることができなければできないなりの関係を保つ方法を探す。逆に、そうでなければ思い切って切ってみる。身辺整理とはこういうものなのかもしれません。

 

大事なのは「自分」があるということです。「自分」がない状態、例えば常に自分に嘘をついているような状態。いつも他人のことばかり気にしている状態。といった、自分が自分でいられないような状態は決してよくないと思います。経済的な自立も大事ですが、それよりも先に心理的に自立していることが重要です。「自分」というものを持てない、自分が自分でいられないといった環境では、自分に自信を持つことすらできなくなってしまいますから。

 

 

■仕事上の付き合いについて

 

ビジネスライクという言葉があります。仕事は仕事、あくまでも事務的に能率的にやりましょうということでしょう。目指すべきところだと思いますが、実際はなかなかそうもいかないと思います。

 

会社も人の集団なので、その中でうまくやっていけるような努力も多少は必要ですが、コミュニケーションにすらならない飲みにケーションや、やっかいな人間関係などをできるだけ排除していくことが望ましいのではないでしょうか。

 

そこで気をつけなければいけないのは、大人の集団であっても(大人の集団だからかもしれませんが)子供染みたことから揉め事が起こる場合もあるということです。厄介な人のあしらい方は間違えないほうが良いと思います。

 

また、自分の経験から思うことですが、次のような人とはできるだけ距離を保ったほうが良いと思います。

 

・虚勢を張ったり威張ったりする人。

・表面が立派な人。

 

前者は単に厄介な人ですが、後者もわりと厄介です。こういう人が意外と他人の気持ちを壊しやすいです。

 

 

■友人について

 

家族や親戚・会社関係のように、何かしらの制約がかかることがないだけ気兼ねなく付き合える人達のうち、縁の深い人達が友人だと思います。考えてみれば見ず知らずの他人同士が親しく付き合うようになるわけですから、縁というのは不思議なものです。

 

どういう友人ができるかによって自分の人生も変わってくると思えるくらい友人という存在は重要だと思いますので、しっかり選択することが大事だと思います。また、相手から良き友人と思ってもらえるような「自分」をしっかり持つことも大事です。そうでないと良き友人はできないかもしれません。

 

そんな友人をどんな基準で選ぶかですが、単に好き嫌いで考えるよりも、その人を大事にしたいと思うかどうかで考えたほうが良いように思います。こういう考え方が成熟した考え方のような気がします。

 

また、気兼ねなく付き合うには、自分の弱いところを見せられる人が良いでしょう。自分の弱いところを見せても恥ずかしいと感じないような相手でないと、安らかな関係にはなれないような気がします。

 

そして、良い友人関係(に限らず人間関係)を作るには、自分に嘘をつかないほうが良いです。特に「相手に嫌われたくないから…」といった気持ちにはならないほうが良いです。気持ちの優しい人には難しいことだと思いますが、時には自分から相手を捨ててみることも必要だと思います。

 

これ以外に気をつけておいたほうが良いのはお金の関係でしょう。お金の関係が拗れると人間関係も拗れます。自分からお金を借りるようなことはしないほうが良いと思いますし、できれば相手にお金を貸すようなこともしないほうが良いと思います。どうしてもお金を貸すということになったら、返ってこなくても気にならない金額にしておくほうが良いです。

 

 

最後に「論語」の一節を引用します。

 

孔子曰 益者三友 損者三友

友直 友諒 友多聞 益矣

友便辟 友善柔 友便佞 損矣

 

交際してためになる友人には三種類ある。交際すると損になる友人にも三種類ある。

正直な友、誠実な友、博識な友はためになる友人である。見栄っ張りな友、媚びへつらう友、口達者な友は損になる友人である。

 

身辺整理・捨てる(1)