ニフティサーブ(NIFTY-Serve)について

 

■パソコン通信

 

その昔、ニフティサーブ(NIFTY-Serve)というパソコン通信サービスがありました。

 

ニフティサーブには、「フォーラム」と呼ばれるテーマ別に分けられたコミュニティがあり、そこではテーマに則した議論や情報交換が行なわれていました。また、電子メールサービスや新聞記事や企業情報などのデータベース検索サービスなどもありました。

 

1987年4月15日のサービス開始以来、順調に利用者を増やし、ピーク時には約300万人の会員数を誇る日本最大のパソコン通信サービスでしたが、サービス開始から約19年後の2006年3月31日に、その歴史に幕を閉じました。

 

ニフティサーブは、ホストコンピュータとパソコンを電話回線で接続して、文字データのみで情報をやり取りする、今では考えられない仕組みでしたが、今のようにインターネットが普及する以前の貴重な情報入手・情報交換の場でした。

 

■どんな世界だったか

 

ニフティサーブでは、会員に対して固有のIDを割り振っていました。フォーラムで発言する場合、発言に合わせてそのIDが表示されていましたので、匿名の世界ではありましたが、フォーラムでの発言は誰の(どのIDの)ものかを特定することができました。また、そのIDを頼りに電子メールを送信すれば、発言者に直接連絡することもできました。

 

当時は、今のようにインターネットが普及していませんでしたので、分からないことを手軽に検索することができませんでしたが、そのような場合にニフティサーブに接続して、そのテーマを扱っているフォーラムに投稿されている発言を読んでみる。それでも分からなければ、そのフォーラムで質問することで欲しい情報を入手することができたのです。いつの時代にも親切な人はいるもので、ニフティサーブでは情報が欲しい人たちに対して、自分が持っている知識を無償で提供してくれる人がたくさんいました。

 

また、フォーラムにはSYS-OP(シスオペ)やSUB-SYSOP(サブシスオペ)と呼ばれる運営スタッフがいました。運営スタッフは、フォーラム内の議論がスムーズに進むように議論の進行役になったり、揉め事が起これば仲裁役になったり、不慣れな人がいれば先生役になったりと、フォーラムのスムーズな運営に貢献していました。そういった意味では(運営スタッフの色が出る場合があるにしても)、ニフティサーブは一定の秩序のある世界だったと思います。

 

個人名などではなくIDを使う匿名性のある世界でありながら、そうした秩序が礼節を生み、それが利用への安心感につながる…と言うと大げさですが、コミュニティのあり方として参考にできるところではないかと思います。

 

インターネットが普及し始めた当時、インターネットは垣根のない世界、パソコン通信は垣根のある世界。といった表現がされたこともありました。しかし、その垣根があったからこそニフティサーブのようなコミュニティができたような気もします。

 

■巡回ツールの存在

 

ニフティサーブのような商用BBSと言われていた当時のサービスは、従量制の料金体系が一般的でした。電話回線を使ってホストコンピュータに接続するため、利用料金に加えて電話料金もかかります。接続する時間が長ければ長いほど金銭的負担が多くなるという状況でした。

 

そこで登場したのが巡回ツールです。巡回ツールを使うと、ニフティサーブに接続してフォーラムでの発言を読み取って切断する。読み取った発言はテーマごとに整理されて画面に表示される。といったことが自動でできました。

 

これが料金の節約につながるとともに、フォーラム内での議論の流れを把握するのに役立ちました。料金を気にすることなくじっくりと発言を読め、議論の流れが分かるといった環境が、結果的に理路整然とした議論につながったと思います。

 

 

■会員数の推移

 

ニフティサーブの会員数の推移をニフティ株式会社のWebサイトにある情報からまとめてみました。

 

1991年7月 25万人
1993年5月 50万人
1995年4月 100万人
1996年1月 150万人
1996年9月 200万人
2000年9月 400万人
2001年10月 500万人

 

1996年9月以降は、あまり積極的に会員数を公表していないようです。また、1999年11月には富士通のインターネットサービス「InfoWeb」と「NIFTY SERVE」を統合して「@nifty」になったので、2000年9月と2001年10月は「InfoWeb」の会員数を含む数字になっていると思われます。

 

そこで、インターネット上の情報を調べてデータを作り直してみました。()内は一ヶ月あたりの会員数の増加で、その後ろは情報源です。

 

1991年7月 25万人 (4,901人/月) ニフティWebサイト
1993年5月 50万人 (11,363人/月) ニフティWebサイト
1995年4月 100万人 (22,727人/月) ニフティWebサイト
1996年1月 150万人 (62,500人/月) ニフティWebサイト
1996年9月 200万人 (62,500人/月) ニフティWebサイト
1999年2月 269万人 (23,793人/月) 日経パソコン(99/04/05)の記事
1999年7月 273万人 (8,000人/月) ASCII24(99/07/08)の記事

 

これらの数字からみると、1996年前後がニフティサーブの最盛期だったように思えます。ちなみに、ASCII24の記事によれば1999年7月のInfoWebの会員数は62万人だったようです。

 

また、ここ最近の会員数は2006年12月からニフティが上場企業になったため、決算短信で見ることができます。

 

・2008年(平成20年)3月期の決算短信

 ブロードバンド接続会員数…168万人
 サービス利用会員数…587万人
 会員総数…755万人
 売上…92,636百万円

 

・2009年(平成21年)3月期の決算短信

 ブロードバンド接続会員数…179万人
 サービス利用会員数…729万人
 会員総数…908万人
 売上…97,352百万円

 

・2010年(平成22年)3月期の決算短信

 ブロードバンド接続会員数…186万人
 サービス利用会員数…857万人
 会員総数…1,043万人
 売上…101,935百万円

 

■サービス終了について

 

魅力があれば人が集まります。人が集まればコミュニティができます。そのコミュニティに集まった人たちが留まればコミュニティは維持され、逆に離れていけばコミュニティは消滅します。ニフティサーブは消滅したコミュニティの一つですが、そうなったなりの理由はあったのだろうと思います。

 

ただ、当時のニフティサーブを知る人たちは、ニフティサーブと聞けば今でも懐かしさを感じると思いますし、それだけ愛着を感じられるサービスであったと思います。ニフティサーブでいろいろな人と出会うことができました。いろいろなことを教えてもらいました。その間、自分の人生にもいろいろなことがありました。

 

さようならパソコン通信、ありがとうニフティサーブ。

 

ニフティサーブ(NIFTY-Serve)の思い出(1)

ニフティサーブ(NIFTY-Serve)の思い出(2)

 

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