« 自宅にいながら来店ポイントを詐取して逮捕された男 | トップページ | 「経歴と経験の違い」と「3種類の経験」(経験の質と量)の話し »

2018/11/16

有給休暇の取得義務化で年末年始休暇が減らされた?

 

労働基準法第39条(年次有給休暇)が改正され、来年(平成31年)4月以降、(年に10日以上の有給休暇の権利を付与された労働者に対して)年5日の有給休暇の取得が義務化されますが、これについてはいろいろとあるようですね。

 

その中でも「これはどうかな?」と思うのが、年5日の有給休暇の取得が義務化されることにあわせて、「年末年始休暇が5日減らされた」といった話しが出ていることです。

 

今までは、有給休暇を使うかどうかは社員に任されていたので、社員の側から申請しなければ1日も有給休暇を取らなくても良かったわけですが、それが「有給休暇の取得率の低さ」の原因にもなっていたのですよね。

 

日本には、「休みたいけど上司(会社)には言いづらい」→「有給休暇の取得率が低い」→「長時間労働になる」→「ワークライフバランスが崩れる」といった悪循環があったわけです。

 

今回の有給休暇の取得義務化は、こうした問題を解消するためのものだったはずなのですが、会社(使用者)の立場からすれば、少しでも多く従業員を働かせたいということなのでしょう。その結果が、年末年始休暇の減少なのだと思います。

 

何となくですが、この話しは、非正規労働者対策で5年ルール(無期転換ルール)を作ったら、5年が経過する前に解雇されてしまった…といった話しと同じような話しに聞こえますね。

 

仕組みを変えるって難しいな…

 

と言いつつ、自分も有給休暇は取得していませんけどね。「休まない文化」なのか「休ませない文化」なのか、あるいはその両方なのかはよくわかりませんが、何となくそうした空気の職場(会社)にいるということです。

 

まあ、有給休暇は取れないものの、残業や休日出勤はさほどでもないので、体力面というか健康面では助かっていますけどね。もちろん、その分だけお給料も少ないですが…。

 

 

さて、話しは戻って、「有給休暇の取得義務化で年末年始休暇が減らされた」という話しですが、少なくとも法改正の趣旨には反しますよね。また、問題になるような話しもありそうです。

 

例えば、就業規則との関係についてです。

 

年末年始休暇が就業規則で定められている場合(ふつうはそうでしょうね)であれば、変更するにしても「合理的な理由」が必要でしょうし、一応は社員(労働者)への説明も必要でしょう。

 

一般に、就業規則を変更する場合には、労働者の過半数の代表(または過半数で組織された労働組合)への意見聴取や、労基署への届け出、労働者への周知が必要ですからね。(就業規則がない場合も労働者との合意は必要)

 

でも、それ以前に、法の趣旨に反するような変更であるなら、そのこと自体が良くないことだと思います。例えば、年末年始休暇を減らして、そこに「計画的付与」で有給休暇を取得させるとか…。

 

これですと、年間で休める日数が増えたわけでもないのに、自分で自由に使える休み(有給休暇)が減ってしまうことになりますからね。(労働者を守るための法改正で労働者が不利になるようなことになるのはおかしい)

 

まあ、計画的付与が行われる場合は、それ以前に労使協定が締結されているはずなので、その段階でしっかり確認していれば、そういうことにはならないとは思いますが…。

 

ただ、会社も結構勝手なところがありますからね。こういった制度の変わり目で油断していると、会社の思うようにされてしまう場合も出てくるような気がします。会社を信用し過ぎるのも良し悪しですよね。

 

世の中には、違法なことを違法と承知の上でやるような会社もありますので…。

 

ということで、 「有給休暇の取得義務化で年末年始休暇が減らされた」という場合には、

・年末年始休暇が減らされた経緯について整理する

・それによって不利益がないかを確認する

という2つのことはしっかりとやったほうが良いと思います。

 

また、特に「計画的付与」については要注意ではないかと思いますね。この言葉が出てきたときも、内容をしっかり確認したほうが良いと思います。

 

 

ちなみに、外国と比べて日本は有給休暇の取得率が低いと言われますが、実際はどのくらいなのでしょうね…ということで、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」という資料を見てみたのですが、思ったよりは高いような…。

 

■ 男女別の有給休暇取得状況(労働者1人平均)

 

   付与日数 取得日数 取得率(%)

男性   18.7    8.9  47.5

女性   17.2    9.8  57.0

合計   18.2    9.3  51.1

 

■ 企業規模(従業員数)別の有給休暇取得状況(労働者1人平均)

 

      付与日数 取得日数 取得率(%)

1,000人以上   19.1   11.2  58.4

300~999人   18.0    8.6  47.6

100~299人   17.7    8.4  47.6

30 ~ 99人   17.5    7.7  44.3

 

これらの数値からみると、企業規模が小さい会社(従業員数が少ない会社)の男性社員の有給休暇の取得率が一番低いようですね。それでも40パーセントくらいはありますが…。

 

ただ、40パーセントとしても外国に比べると日本の有給休暇の取得率は低いようです。(だから有給休暇の取得が義務化されたわけですが…)

 

でも、そうなったのには、日本と外国での制度の違いもあるみたいですけどね。国によっては、「有給休暇は連続して取得しないといけない」とか、「特定の時期に取得しないといけない」といったルールがあるようですし…。

 

よく、ヨーロッパにはバカンスがあると言いますが、これなども、そういった制度の違いからの話しではないかと思います。日本でも、制度を変えれば同じようになるのではないですかね?(変わるとは思えませんけど)

 

 

« 自宅にいながら来店ポイントを詐取して逮捕された男 | トップページ | 「経歴と経験の違い」と「3種類の経験」(経験の質と量)の話し »

「仕事」カテゴリの記事

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

その他