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2018/08/28

ラオスのダム決壊事故は天災だったのか人災だったのか

 

7月下旬に発生したラオスのセーピアン・セーナムノイダムの決壊事故ですが、大きな事故だったにも関わらず、続報が入ってきませんね。東南アジアの小国での出来事なので、マスコミも関心が薄いのかな?

 

今回のダム決壊事故については、予想外の大雨が続いたことによる天災だった…といった話しと、施行不良が原因の人災だった…といった二つの話しがあったので、その後の様子を知りたいのですけどね。

 

ちなみに、ニューヨークタイムズなどは、事故直後にスタンフォード大学の前教授の話しとして、

 

「the dam failure sounded to him like a case of “failure by internal erosion” caused by construction defects like inadequate foundation preparation, bad grouting, and high-risk design configurations.」

 

といったことを記事にしていましたので、どちらかと言えば人災説の立場のようです。

 

英語が苦手なのでうまく訳せないですが、この記事は、「悪質なグラウト」や「ハイリスクな設計」による「内部浸食による破損」だった…といった感じの意味だと思います。

 

記事にあるグラウトとは、地盤や構築物の「ひび割れ」や「隙間」にモルタルや薬剤を注入・充塡することだそうですが、それが悪かったので、地盤や構築物に水が侵食して決壊が起こった…ということですね。

 

仮に今回のダム決壊事故が、この記事にある通りの事故だったとすれば、ハイリスクな設計に施工不良が重なったことによる人災ということになりそうです。

 

また、天災か人災かは別にしても、今回の事故は、ダムの決壊に至るまでの経緯にも問題があったように感じますよね。

 

時系列で見ていくと、

・ 7月20日 … 発電用ダムの1つの中央部分が10cmほど沈下。この時は様子見。

・22日夕方 … 沈下が10か所になったが、大雨の影響で修復できず。

・22日21時 … ダムの最上部が損壊していることを確認。

・23日03時 … ダムの水位を下げるために放水開始。大雨で水位下がらず。

・23日正午 … 下流の住民に避難命令。

・23日18時 … 決壊。

といった状況だったようです。

 

まあ、これは「今だから言えること」ではありますが、20日の時点でしっかり対応できていれば、決壊は避けられなかったとしても被害は小さくできたような気がします…。

 

 

さて、このセーピアン・セーナムノイダムですが、建設工事は、ラオスの国営企業(出資比率24%)、韓国のSK建設(同26%)、同じく韓国の西部発電(同25%)、タイの電力企業(同25%)の4社が出資した合弁企業が行っていたそうですね。

 

ただ、総事業費が10億2,000万ドルという大きなプロジェクトだったそうですので、実際の工事は下請けがやりました…とか、もしかしたらダムの設計も下請けがやりました…といった状況だった可能性もあると思います。

 

事故原因を調査していくにしても、こうした状況ですといろいろと大変でしょうね。

 

また、今回の事故は、ラオスという国にとっても大きな痛手だったと思います。

 

ラオスという国は、経済的にみれば比較的貧しい国に入るほうだと思いますが、今回のダムを使って水力発電を行い、その電力の9割をタイに輸出して外貨を獲得し、国の収入の柱にしようとしていたそうですからね。

 

消費財や工業製品など、多く物資を輸入に頼っているラオスのような小さい国にとっては、外貨の獲得が喫緊の課題ですので…。

 

でも、今の状態では、収入の柱になるどころか大きな負債になってしまうと思います。今回のダム建設の総事業費の7割が借り入れらしいですからね。

 

まあ、これだけの大きなプロジェクトですから、当然、それに見合うだけの保険にも入っているとは思いますが、施行不良が事故原因だったという結論になったら、保険金の支払いにも影響が出そう…。

 

 

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