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2018/06/02

知識・情報の共有と活用…ナレッジマネジメントを実現するには

 

組織に所属している個人が持っている「知識」や「情報」を、組織全体で「共有」して「活用」することで業績を上げようという経営手法を「ナレッジマネジメント」と言います。

 

組織の中でナレッジマネジメントがうまく機能すると、「人材の育成」や「組織の生産性の向上」、あるいは、「意思決定スピードの向上」や「業務改善」「業務革新」といったことが実現できるようになります。

 

ただ、そうしたメリットのあるナレッジマネジメントですが、それを実際に機能させることは難しいと言われているのですよね。

 

なぜなら、「人は語れる以上のことを知っている」のに、それを「上手に語ることができない」(うまく共有できない)からです。

 

誰しも、「自分は分かっているけど、他人が分かるようには説明できない」といった経験があると思いますが、これなども、「語れる以上のことを知っている」のに「上手に語ることができない」から起こることです。

 

ナレッジマネジメントで言う「知識」や「情報」とは、単なる「データ」(語れること)だけではなく、「経験」や「ノウハウ」といったこと(うまく語れないこと)までを含んだ幅広いもので、特に後者についての「共有」「活用」が難しいのですよね。

 

■ 人間は二種類の「知識」を持っている

 

人は二種類の知識を持っています。一つは、「言語によって獲得した知識」で、もう一つは、「経験によって獲得した知識」です。

 

「わかっているけど、うまく説明できない」ことは、このうちの「経験によって獲得した知識」なのですね。このように、「経験によって獲得した知識」というのは、簡単に言語化できるとは限らないわけです。

 

そして、「言語によって獲得した知識」は、「経験によって獲得した知識」に取って代わることはできません。スポーツ選手の伝記を読んだだけでは、スポーツ選手になることはできないわけです。

 

こうしたことが、ナレッジマネジメントの実現を難しくしているのですね。

 

 

■ 二種類の知識は「形式知」と「暗黙知」と呼ばれている

 

ナレッジマネジメントの世界では、「言語によって獲得した知識」のことを「形式知」と呼び、「経験によって獲得した知識」のことを「暗黙知」と呼んでいます。

 

また、例えば会議や打ち合わせの際、同じことなのに人によって見方が異なる場合がありますが、こうした「モノの見方」の違いは、それぞれの人が持つ「暗黙知」の違いから生じています。

 

このような状況の中で、メンバー同士が相乗効果を生むには、この「暗黙知」を「形式知」に変換(言語化)する必要があるのですよね。

 

■ 「暗黙知」と「形式知」を相互に変換するには

 

暗黙知と形式知を相互に変換するには、「共同化」→「表出化」→「連結化」→「内面化」といったことをします。(「SECIモデル」という単語で検索してみると、より詳しいことがわかります)

 

・共同化 … 共同作業を通じて暗黙知を暗黙知のまま他人に移転すること

 

・表出化 … 暗黙知を言語化して形式知にすること

 → 質問や対話と通じて経験を言葉にすること

 

・連結化 … 形式知を統合して新たな形式知を作ること

 → 資料などにまとめるなど

 

・内面化 … 形式化された知識を実践して経験から暗黙知を獲得すること

 

・誰かの「暗黙知」が「形式知」に変換される過程

 「暗黙知」 → 共同化 → 「暗黙知」 → 表出化 → 「形式知」

 

・変換された「形式知」が他者の「暗黙知」に移行される過程

 「形式知」 → 連結化 → 「形式知」 → 内面化 → 「暗黙知」

 

■ 「知ること」と「分かること」の違い

 

「知る」ことと「分かる」ことの間には、「記憶する」「試す(練習する)」といった手間と時間が必要です。また、「分かった」あとも、それを実際に(実務で)「使う」ことが無ければ、「使えた」ことにはなりません。

 

そして、使えるようになってからも、さらに繰り返し「使う」ことで習熟度が増し、その過程でいろいろなことを「考える」ことで、「よく分かった(本質を理解した)」状態になります。この状態が「スキル」と呼べる状態ですね。

 

ナレッジマネジメントでは、こうして獲得した「暗黙知」を「形式知」に変換して他者と共有し、活用するわけですが、そこに至るまでには相当な手間と時間が必要で、こうしたところも、ナレッジマネジメントの難しさの一つかもしれませんね。

 

 

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