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2017/12/29

今年はメディアの存在価値が問われた一年だったかもしれない

 

朝日新聞社は、文芸評論家の小川栄太郎氏の著書「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」が、事実に基づかない内容で同社の名誉や信用を傷つけたとして、著者の小川氏と出版元の飛鳥新社に対し、5,000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に起こしたそうです。

 

朝日新聞いわく、この本は「本社には一切取材もないまま、根拠もなく、虚報、捏造、報道犯罪などと決めつけている。事実に反した誹謗中傷による名誉毀損の程度はあまりにひどく、言論の自由の限度を超えている」とのことで、やむを得ず提訴したのだそうです…。

 

が、全国紙を発行しているような大きな新聞社が、個人や小さな出版社を相手に訴訟とは驚きですね。この本によほど都合の悪いことが書かれていたとか、それにより相当追い込まれてしまったとかの、何かしらの理由があったのだろうとは思いますが、言論には言論で対抗したほうが良かったのではないかと思います。

 

天下の朝日新聞が、個人や小さな出版社を相手に目くじらを立てて、「この本は怪しからん、訴えてやる!」ですからね。5,000万円という多額の損害賠償額をみても、大人げないというよりは、ある種の脅しと受け取られても仕方がないと思います。

 

今回の訴訟は、朝日新聞の大嫌いな「言論弾圧」ではないかと思いますし、触れられたくない事実に果敢に切り込んでくるような人たちを、躍起になって潰そうとしているようにしか見えないです。ひょっとしたら朝日新聞は、「願わくば今後そういった人たちが出てこなければ良い」とでも思っているのではないでしょうか?

 

 

でも、訴訟を起こして本当に大丈夫なのでしょうか。例外がないわけではないですが、ふつう裁判というのは、訴えた側に証明責任(立証責任)がありますからね。相手の言っていることが事実に反していると訴えた以上は、裁判の中で事実が何であるかを自ら証明することになると思います。

 

例えば朝日新聞は、小川氏の著書の中から、「ある人物が朝日新聞とNHKの人間と一堂に会し、相談の結果、(中略)報道することを共謀したとみる他ない」といった文章を引用し、「一堂に会し」たことも「共謀した」事実も無いと主張していますが、それをどうやって証明するつもりなのでしょうね。

 

朝日新聞としては、「共謀」といった表現に腹が立ったのかもしれませんが、「一堂に会し」や「相談」、あるいは「共謀した」といった事実が無かったことを証明するのは非常に難しいと思います。

 

それにこの文章は、「共謀した」と断定したものではなく、「共謀したとみる他ない」という、いわば論評の類として書かれたものですからね。言論機関である朝日新聞が、「こんなことをわざわざ裁判で訴えますか?」という話しです。

 

これでは裁判官も、「(論評の域を超えた)著しく事実に反する内容」とは認定できないと思いますし、もしかしたら朝日新聞は、(事実が無かったことを)証明するどころか墓穴を掘ることになるかもしれません。

 

また朝日新聞は、いわゆる森友問題や加計問題に関する一連の報道について、「捏造」や「虚報」はないとも主張していますが、少なくとも、朝日新聞にとって都合の良い話しは大きく報じ、そうでない部分は触れないに等しい程度の扱いをするなどの「偏向」はあったと思います。

 

例えば森友疑惑については、森友学園側の説明を鵜呑みにし、学園が設立する予定だった小学校の設立趣意書に「安倍晋三記念小学院」と書かれていた…といったことを断定調で報道していましたが、事実は違っていました。(実際は「開成小学校」と書かれていました)

 

また、加計疑惑についても、いわゆる「総理のご意向」文書について、「総理のご意向だと聞いている」という伝聞の部分を、あたかも「総理のご意向」があったように報道したものの、「総理からの指示に見えるのではないか」といった、総理の関与がなかった可能性を示唆するような部分には触れずじまいでしたからね。

 

そして巷では、この文書を朝日新聞に手渡した人物と、朝日新聞がその文書の内容について取材したとする文部科学省関係者は同一人物で、その蓋然性(その事柄の確実性の度合)は高いと言われていますが、それが事実なら、かなり問題のあった報道だったと言わざるを得ないです。

 

これらからしても、朝日新聞の報道姿勢が政権批判ありきで、事実に基づいて政権批判しているようには見えないのですよね。森友問題・加計問題に関する朝日新聞の記事を読んでいても、「エビデンス?ねーよそんなもん」といった印象を受けてしまいます。

 

なお、朝日新聞から訴えられた小川氏は全面的に争う姿勢のようで、「言論機関が個人に対し、好意的でない文章を出したからと提訴するのは事実上の言論弾圧だ。(中略)言論機関は言論の場で白黒つけるべきだ」と話しているそうです。

 

 

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