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2017/12/17

原発の運転差し止め訴訟を主導しているのは地域の住民?

 

伊方原発3号機の運転差し止めを求めた住民訴訟について、広島高等裁判所は13日、運転を差し止める仮処分決定を出しました。高等裁判所レベルで原発の運転を差し止めたのは初めてですから、この決定の意味は大きいのだろうと思います。

 

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垂れ幕を掲げる支援者(朝日新聞より)

 

ただ、運転を差し止めた理由が、「阿蘇山の大噴火による火砕流」というのは微妙ですね。阿蘇山と伊方原発は約130キロメートルも離れていますし、阿蘇山は九州の熊本県、伊方原発は四国の愛媛県ですから、その間には海もありますので…。

 

決定要旨によると、「阿蘇山の火山活動の可能性が十分小さいとは言えず、噴火規模を推定することもできない。また、火砕流が伊方原発の敷地に到達する可能性も十分小さいとは言えないから、伊方原発の立地は不適で、伊方原発の敷地に原子力発電所を立地することは認められない」とのことですが、これを認めたら、ほとんどの原発は運転できないと思いますね。

 

それに、この伊方原発3号機は、原子力規制委員会の(新しい規制基準による)審査に合格して再稼働した原発です。原子力規制委員会が合格と認めた原発の運転について、裁判所がそれを差し止めたら、電力会社は何を基準に原発を運転したら良いのかがわからなくなってしまうでしょう。

 

また、決定要旨では、「(伊方原発に影響が出るような)大きな噴火の発生頻度は著しく小さく、リスクは無視し得るものとして容認するというのが我が国の社会通念ではないかとの疑いがないではない」とも述べているのですけどね。それでも、運転は差し止めなのです…。

 

 

そして、今回の決定で一番問題だと思うのは、「では、その大きな噴火が起こったとして、具体的にどのような原発事故につながるのか」という部分が無いところですね。具体的な根拠も示すことなく他を批判するのは、あまり良くないです。

 

結局、今回の運転差し止めの決定は、「(広島高等裁判所が考える)社会通念によれば、伊方原発3号機を「合格」とした原子力規制委員会の審査は、新しい規制基準に反しているので間違いである」ということなのでしょう。一言で言えば、「原子力規制委員会の安全審査の否定」ですね。

 

あるいは、「原子力規制委員会の安全審査に対する司法の介入」でしょうか。今までにも安全審査に合格している原発はありますが、今後それらの原発も、伊方原発と同様の訴訟リスクにさらされることになりそうです。

 

やはり、「首相のお願い(政治判断)」で原発を止めてしまったあたりから間違っていたのかもしれませんね。こうした問題は、感情ではなく法律に従って処理するべきだったと思います。これまでも、地元の知事が同意しないからダメだとかやっていましたが、原発に対して何の権限も無い知事が原発を止められること自体がおかしい…。

 

メディアはゼロリスクを求めて大騒ぎして不安を煽り、政治家は批判を恐れて何もしない。電力会社も批判を恐れて何も言えない。そして、そのツケは電気料金として国民が負担している…。こうした状況を変えない限り、この問題は解決しない?

 

ちなみに、各地で起こっている同種の住民訴訟は、地域の住民ではなく、特定の弁護士が主導している…という噂話しがあります。これが事実なら、ごく一部の人の考えに全体が振り回されている…ということなのかもしれませんね。

 

 

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