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2016/08/08

無期転換ルールと雇い止め

平成24年に公布された改正労働契約法によって、有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えた場合、労働者が使用者に無期労働契約を求めることができるようになりましたが、当初から言われていた通り、通算5年を迎える前に雇い止めされるケースが出てきそうですね。

 

 

今回の労働契約法の改正は、有期契約労働者の雇い止めに対する不安を解消し、安心して働けるようにすることを目的として行われましたので、

 

1.無期労働契約への転換

 有期労働契約が通算5年を超えた場合に無期労働契約に転換できる

 

2.雇い止め法理の法定化

 状況によっては使用者による雇い止めが認められなくなる

 

3.不合理な労働条件の禁止

 有期契約労働者と無期契約労働者の間の不合理な労働条件の相違が禁止される

 

の3つがルール化されましたが、そう簡単にはいかないということでしょう。

 

雇っている側(使用者)にとって、必要なときに安い賃金で使うことができる有期契約労働者は魅力的な存在だと思いますし、そうした雇用を前提に商売をしていると思いますので、変えようにも変えられないという面もあると思います。

 

特に、大学法人のような有期契約労働者(非正規職員・非常勤講師)を大量に抱えているところでは深刻な問題になっているそうで、今後、有期契約から無期契約に転換したい労働者と、転換を申請できるようになる前に雇い止めしたい使用者との間でのトラブルが増えそうです。

 

使用者も、そうしたことを想定しているのでしょう。通算5年を超えないように就業規則を変更したり、契約更新時の契約書に、さりげなく「次回は更新しません」といった不更新条項(不更新特約)を入れたりしているようです。

 

あとは、雇い止め法理の法定化がどこまで機能するかでしょうね。これは、体裁は有期契約でも実態が無期契約であるなら、雇い止めは認められないとった話しですが、これがしっかり機能すれば、雇い止めが無効になる例が増えるのではないかと思います。

 

ただ、労働者が不更新条項(不更新特約)のある契約書にサインしてしまうと、ふつうは雇い止めに合意したと受け取られますからね。サインしても雇い止めできない(雇い止めに合意したとは認められない)とした判例もあるそうですが、このあたりの話しがどうなるのかも気になります。

 

 

いづれにしても、もし有期契約から無期契約に転換したいと思っているのであれば、契約更新時の契約書には安易にサインせず、よく内容を確認したほうが良いと思いますし、契約切れ前に有給休暇を消化するなど、退職を前提にしたような行為にも注意したほうが良いでしょうね。

 

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